子供たちに安全な乗り方を広めてくれれば

山口県教育委員会は交通ルールをテスト形式で確かめる教材を作った。
題して「自転車の安心・安全確認テスト」。
小学生用と中・高校生用があり、小学生用は１回10問で回答は○×式。内容はこんな具合だ。
「周りの人に迷惑をかけなければ、友達と横に並んで運転することができます」（正解は×。自転車同士の並進は禁止）。
「自転車で事故を起こしたときは、家の人がお金を払わなければいけなくなることがあります」（正解は〇）。
13～14年度に自転車に乗った高校生がお年寄りをはねて重体にさせる事故が続き、利用時のマナー違反を指摘する声も寄せられたことなどを受けて作った。
校長経験者の助言を受け、児童・生徒が実際に起こした事故を素材に問題を作成。
学校安全・体育課は「手軽にできるよう短くしたので、授業の合間などに自転車のルールを身につけてほしい」とする。
安全な乗り方の定着に向けてボランティアの活用に乗り出した自治体もある。
東京都世田谷区は14年、区主催の約１時間半の講習会に参加した区民を「安全利用推進員」に指定する事業を始めた。
これまでも小中学校でスタントマンが事故を再現する教室などを開いてきたが、行政や警察の力だけでは不十分と判断。
道路の危険箇所などに詳しい区民の目を生かすことも狙った。
14年度に指定されたのは自転車の愛好家や町会で交通安全を担当している住民など33人。
交通安全教室や自転車を使った遊びを体験するイベントの開催・運営などで活躍している。
同区で発生した自転車が関わる交通事故は13年は887件で、交通事故総件数の約４割を占めた。
区交通安全自転車課の担当者は「区民自身の手で、子供たちに安全な乗り方を広めてくれれば」と期待する。
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